■ おせち料理は健康料理 ■
おせち料理は、正月元旦の朝に出す。
年神さまを迎えて健やかな新年をお祝いし、一年の幸福を祈りながら食する料理。
一年最初の料理にふさわしく、野菜、卵、肉、魚と満艦飾のごちそうです。
そのおせち料理を、栄養学的な面からも見てみましょう。

野菜、海草、豆、芋・・・1日に摂取したい食品が全て登場。
ここまで豪華でなくても、一年間、おせち料理と同じようなバランスの食生活を送れば、健康に過ごせること間違いない。
三つ骨・・・おせちの代表格
黒豆 1年を”まめ”に暮らせるようにと願うもの 黒豆は大豆の一種。
肌を美しくする良質なたんぱく質を含む。
コレステロールや脂肪酸の増加を抑えるリノール酸、リレイン酸を含む。
ビタミンBを多く含むため、疲労回復に効果的。ただし、市販の煮黒豆は、砂糖を多く含むので、沢山食べると逆効果。
できれば手作り、砂糖控えめにしたいもの。
かずのこ たまごの数にあやかり、子孫繁栄を願う かずのこは「にしん」の卵。
コレステロールを多く含む。
血中のコレステロール値が高い人は、縁起をかつぐ程度に抑えた方がベター
ごまめ
(田作り)
カタクチイワシの稚魚を塩水で洗って干した物。
田の肥料にした事から「田作り」とも呼ばれる。ごまめは「五万米」とも書き、五穀豊穣を祝う食べ物。
小魚だけあって、カルシウムやミネラルが豊富。
15g程度で1日の必要量600mgの3分の1を摂取する事ができる。
その他の代表的なおせち料理
きんとん きれいな黄色は金貨の色。
財産が貯まるようにとの願いがこもる
きんとんは、マッシュしたサツマイモに栗を合わせた物。
サツマイモは食物繊維の量が芋類の中では最も多い。
便秘に効くヤラピンと言う物質も含まれている。
ビタミンCも豊富。
栗の甘露煮を使う場合は、サツマイモの砂糖を控えめにしても大丈夫。
たたきごぼう 黒いゴボウは、豊作の時に飛んでくると言われる黒い瑞鳥をさす。
豊作と1年の息災を願う。
また、細長い形から、細く長くつつましくと言う祈りもこもる。
食物繊維を多く含む。
タンニンや鉄を含み、血の巡りをよくする。
かまぼこ 半円形の形が初日の出を連想させ、縁起がいいと考えられている。 カマボコの材料は魚のすり身。
魚のたんぱく質が手軽にとれる。
伊達巻 江戸料理としては目新しく、形もきれいだった事から「伊達巻」と名付けられたよう。
「伊達(粋で目立つこと)」と言う言葉から、教養や文化が身につくことを願う。
卵と白身魚のすり身で作っているので、たんぱく質は豊富。
しかし、食べ過ぎるとコレステロールのとりすぎに。
糖分も多いので注意。
八つ頭 親芋が大きく、外側はでこぼこがあって、八方に頭があるように見える。人の上に立てるようにと言う願いをこめて。 食物繊維はさつま芋に次いで多い。
カルシウムやミネラル分も芋類の中では豊富。
レンコン レンコンの穴を通して未来の見通しがきくという縁起をかついだもの。 レンコンを空気のさらしておくと黒くなるのは、タンニンや鉄を多く含むから。ビタミンCや食物繊維も豊富。
昆布巻 昆布は昔「広布(ひろめ)」といった。
ひろめは「広がる」に、こぶは「喜ぶ」にかけて、福が授かるとして、祝いの席に欠かせない食物となった。
昆布に多く含まれるヨードは、体内の代謝を活発にする。
利尿作用を即して塩分を排出するカリウムの含有量は食物中最高。
食物繊維はゴボウの2倍以上。
紅白なます 紅白の彩りがめでたさを演出し、平安、平和を祈る縁起物。 にんじんはビタミンA、B、Cを多く含む野菜の優等生。
特にカロチン(体内でビタミンAに変わる)を多く含んでいる。
大根はデンプン消化酵素のジアスターゼなどが多く含まれている。
海老 腰を曲げて進む海老の姿を老人にたとえ、長寿の願いを表す。紅白の彩りもおめでたい。 高タンパク低脂肪でダイエットに適している。
カルシウム、ミネラル、ヨードなども豊富。
コレステロール値を下げるタウリン(アミノ酸の一種)も多い。