いざ! という災害時に備える、栄養と食事
~いのちを守るために、知っておこう、スキルを身につけよう~
 水分をしっかり!  とにかく食事をとる!
 安全に食べる!  体を動かす!
● 食べることは、生きる事 ●

地震などの非常災害時、
身の安全を確保したら、次に大切なのは水と食事です。
非常災害が身近な問題として考えられる今、
普段から、食べることの大切さを知り、スキルを身につけておきましょう。

まず、水分! ➔ 次に、しっかり食事!
水分をしっかりとる、できるだけ食べる、など、当たり前のことが出来ないのが、非常災害時。
いのちを守るため、普段からの備蓄も大切です。
第一に  水!     我慢は禁物です。
 災害でライフラインが被害を受けると、水のない不自由な生活を強いられます。
生きるためには、まず水分を最優先でとってください。
 また、災害時は食事の量が少ないので、食事からの水分摂取が想像以上に減ってしまいます。
飲む量が限られ、汚れたトイレを敬遠するため、そん後も水分補給が少なくなりがち。
災害直後だけでなく、水分は、積極的にとりましょう。
 
【備蓄アドバイス】 ペットボトルの水、 バケツ、 タンク、 ポリ容器、 簡易トイレ
 応急処置で、下痢などの時の水分補給を
下痢や風にかかったら、こまめに水分を取り、消化が良く柔らかい食事やビタミン、ミネラル類を積極的にとりましょう。
また、脱水で失われやすい水分と電解質(塩分やカリウム)を素早く補給するために、「経口補水液(ORS)」を作る方法もあります。
 *下痢・嘔吐がひどい場合は、まず病院へ!
 かんたんな作り方
・水・・・・・1リットル
・砂糖・・・40g
・塩・・・・・3g
材料をペットボトルなどで混ぜる。

市販のORSなどを備蓄しておくとよい

次にしっかり 食事!
 災害直後は、まずエネルギーをしっかりとってください。
日頃から、非常時を考えて備蓄しておくことも大事です。

●まず、食べましょう!
生きるために、体力をつけて、暑さや寒さに負けないためにも、まず食べてエネルギーを補給しましょう。
体重は、重要なバロメーターです。

●食欲がないときは、食べやすいものを!
汁物、温かい食べ物は、ホッとできます。
食べなれたものから試してください。

●バランスも考えましょう!

食べ物が増えてきたら、不足しやすいタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを補う食品を、積極的に活用しましょう。 
 まずエネルギー、
  次にタンパク質などの栄養を!


非常災害時は、1日の食事回数も、1回の食事量も少なくなります。
おにぎり、パン、カップ麺などに偏り、大切な栄養素がとりにくくなります。
  ▶避難所では エネルギーやタンパク質の不足が、長期化!◀

東日本大震災の避難所における提供状況調査のよれば、

・震災1か月後➔エネルギー、タンパク質の不足
   その後、目標量に達した。

・ビタミン➔副食の提供の増加やビタミン強化米の提供などの効果が上がった
【備蓄アドバイス】
 
・好きな食品/食べなれた食品    ・ビタミン強化米や玄米、分つき米(7分つき米など)
 ・魚や肉の缶詰、レトルト食品     ・野菜や果物のジュース
 ・ビタミンやミネラルが強化された食品(ふりかけ、飲料、菓子など)
 ・栄養機能食品、栄養ドリンク     ・カッセトコンロ、調理器具など

衛生 安全に、食べましょう!
 災害時は、断水などで衛生状態が悪くなります。
食中毒の発生やノロウイルスなどの感染性胃腸炎が流行しやすいので、衛生管理には最大限の注意が必要です。
    【感染を予防するには】
 
      ―手洗い―
  *断水の場合*
 手指用アルコール剤(特にトイレ後、食前)
 ウエットティッシュを使用
  *流水が使える場合*
 流水と石鹸で手洗い

食べるときは、できるだけ直接触らずに、袋(包装物)を持って食べましょう。

―うがい― ―マスクの着用―
 【こんな時だからこそ安全に調理を】

 *おにぎりなどはラップで握る
 *ボウルやお皿の汚れは最小限に
 *過熱が必要なものは熱を通す
 【備蓄アドバイス】 ラップ、 ウエットティッシュ 、アルコール剤 など

運動 落ち着いてきたら、体を動かすことも大切
 エネルギーがしっかり確保できる段階になったら、座りきり、寝たきりばかりでなく、少しずつ体を動かしましょう。
エコノミークラス症候群を防ぐためのも、歩行や軽い体操を心がけましょう。
足首の曲げ伸ばし

つま先を手前に向けたり倒したりを、ゆっくり左右5回ずつ繰り返す。
 
膝の抱え込み

両手で膝を抱え込み、太ももの前面を胸に近づけひざを手前に引く。
左右の脚で1回10秒×3回くらい繰り返す。
 

  ★特に、災害弱者を見守ることが大切です
災害時、 赤ちゃんやお年寄りは ➔ 非常に弱い立場になる。
また、  食物アレルギーのある人も ➔ 食品の確保が難しい
     慢性疾患などの人も ➔ 食事コントロールが必要です。
さらに、子供たちも ➔ 成長に欠かせない栄養素が不足します。

東日本大震災では、震災直後 ➔ 水や食べ物の絶対量が不足
                      必要なものが手に入らない状況でした。
特別な食品が必要な人ほど ➔ 日頃から備蓄を心がけましょう。
 【備蓄アドバイス】 粉ミルク、 嚥下困難者用食品、 食物アレルギー対応食品 
             特別用途食品  など